観測宇宙気球SERA 最後の活動を終えて

 報告が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。 

去る2015年8月3~6日、観測宇宙気球SERAの気球が北海道の空へ飛び立っていきました。

 

 昨年9月の活動から様々な改良を重ねて、漸くこの日が来ました。

当日の天気は曇り、風はそれほど強くなく放球にはちょうど良い環境でした。 

 

 

 昨年同様、航空局に事前に連絡をして、通達してある時刻から活動を始めました。まずは、バルーンにヘリウムを注入します。

 

しかし…

 

バルーンの口とヘリウムガスが入っているボンベの口のサイズが異なっているため、注入作業の前にアダプタとしてホースをヘリウムガスのボンベに装着させる作業があります(これが中々大変…)。

 

 

何が大変かというと、丁度良い口径ではないのでちょっとした技術が必要だからです。でもここは昨年のメンバーの人達の力でうまく乗り切ることが出来ました。

 

 次に、いよいよヘリウムガスをバルーンに注入します。言葉で言うのは簡単なのですが思ってるよりもこれは力仕事なんです!

先ほどのホースの先をバルーンの口にくっつけてボンベからヘリウムガスを入れるのですが、このホースの先とバルーンの口も微妙も大きさが異なっているのでヘリウムガスが抜けないよう手で圧力を加えながら入れていきます。

 

 

普通に彼は持っていますがバルーンによって体が押されかなり疲れます。しかもヘリウムガスは冷たいので手がどんどん冷えていきます。なので数人で交代しながらガスを入れていきます。

 

 どれくらいガスを入れるかは事前に計算をした結果をもとに見積もった量を入れていきます。数十分すると下図のように160cm程の大きさになります。

 

 

 これをあと凡そ2m程まで膨らませます。ビニルシートで覆っているのは浮力で飛ばないようにするためです(ビニールシートから糸が垂れているのが見えるかと思いますがこれも同様の理由です。糸の先にはレンガをくっつけてあります)。

 

 ここまではバルーンの本体の事をお話しましたが、同時並行でカメラなどを入れるペイロードやパラシュートの準備もしました。(私たちの目標はこちらを打ち上げる事です。)時間が限られているので皆真剣に準備をしています。

 

 

 ヘリウムガスの注入が終わり、ペイロードの準備も完了したらいよいよ放球の時間です。

 無事に帰ってくることを祈っていざ放球です!!

 

 

 放球は無事に成功し、軌道計算した通りの時間、方角に進んでいきました。途中、予想だにしなかった方角へ行ってしまいそのままの状況だと人口密度の高い方へ行ってしまう恐れもあったのですが運よく、風向きが変わり、結果的には予想していた落下地点から数kmずれた山の中に落ちたことが分かりました。

 

~最後に~

 2年越しの夢が叶わずに終わってしまいましたがこの活動で得た様々な経験はきっと将来役に立つと思います。当団体の1期生の夢は後輩へ受け継がれ、こうして今やサークルを代表する活動の一つとなっています。

 今年も後輩によって夏頃、気球を打ち上げるという事で私自身とても楽しみにしています。宇宙への想いを馳せてこれからもより多くの方々に宇宙の素晴らしさを伝えていけたら良いなと思っております。

 最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。

 

観測宇宙気球SERA メンバー 秋山優太